世の中には、人口の１５％～２０％の割合でHSP（過度に敏感な人）といわれる方々がいるといわれています。
彼らは感覚が鋭く、他の人が気づかないような些細なこともわかってしまいます。高感度のセンサーを備えているようなもので、たくさんの情報を拾います。そのせいで脳の処理能力を超えて、圧倒されて疲れてしまいます。
かく言う私もHSPのひとりです。このサイトで１０回にわたり、HSPの生き方について自分の経験も交えて私見を述べました。
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今回は番外編として、巷によくいる「嫌なヤツ」についてです。HSPが彼らとどのように向き合えばいいのか、について考えてみたいと思います。
「優しすぎる」HSPたち
HSPと呼ばれる人たちは、とても敏感な体質で生まれてきました。普通の人なら何でもないレベルの騒音やにおいなどでも、強い刺激を受けます。
HSPは自分自身が刺激に敏感なため、それが普通だと思ってしまいます。ですので、相手に刺激となるような行為や言動をあまり行いません。口数の少なさも、うっかり失言して相手を傷つけないようにしているせいかもしれません。
また、HSPは他人に対して高い「共感力」を持っています。HSPは相手がどのように思っているのか、そのしぐさや表情から察知することができます。
そして、相手の気持ちに引きずられて、自分の感情と「同化」してしまうのです。それによって、相手の気持ちを自分のことのように感じる、高い「共感力」を発揮します。
自分のせいで相手がイヤな思いをすると、HSPは共感力の高さですぐわかります。そのため他人を不快にさせないよう、常に気を配って生きているのです。
他人を思い、そのために自分を抑制し続ける。普通の人から見れば、信じられないくらいにHSPは「優しい」のです。
HSPの対極、「戦士階級」
相手のことを優先に考えるHSPとは対照的に、すべて自分本位で行動する人たちが存在します。HSPを提唱したアーロン博士は著書の中で、彼らを「戦士階級」と呼んでいます。
彼らは共感力が低く、他人のことは考えません。自分がやりたいことをするだけです。それを邪魔するものは敵だとみなして攻撃し、ためらいなく他人を傷つけます。むしろ、人を傷つけることに喜びを見出すことさえあります。
HSPからすると、そんな行動は信じられません。平気で他人の迷惑になるような行為するので、それを目の当たりしたHSPは理由が分からず、とても混乱してしまいます。
しかも、HSPは平均よりも知性が高い傾向にあるので、物事をちゃんと考えます。しかし世の中には、自分と同じようにきちんと考える者ばかりではないのです。
そういう不都合な事実を、HSPの人たちは知るべきなのです。衝動的、気分的で好き勝手に迷惑をかける者が存在することを、肝に銘じなくてはなりません。
嫌なヤツは、すでに「死んでいる」と思うべし
攻撃的な人たちは、気分が悪いと他人を困らせたりいじめたりして、ストレスを解消しようとします。内気なHSPは、往々にしてその標的となりやすいのです。HSPにとって彼らは本当に「嫌なヤツ」です。
「嫌なヤツ」達は、人を攻撃したり困らせたりするために生きているといっても過言ではありません。その攻撃性は生まれつきで、遺伝的にその役目を負っているのです。そんな彼らと、話し合いが通じるはずはありません。
もし相手をいじめたりしているのが、年端もいかない子どもならば、叱る価値はあるでしょう。しかし大人となれば、話は別です。
「嫌なヤツ」も大人になるまでの間、かなりの時間があり、その中で色々な経験をしてきたはずです。今までに「人に迷惑をかけてはいけない」「むやみに人を攻撃してはいけない」ということを学ぶチャンスは、何度もあったことは想像に難くありません。
それにもかかわらず、そんな大人になったということは、「嫌なヤツ」になることを「無意識」に選び取ってきたということなのです。この「無意識」は彼らの「生まれ」によりプログラムされたもので、やはり我々があとから変えることなど絶対にできません。
ですので、HSPの方々は「嫌なヤツ」を説得したり、更生させようとしたりしてはいけないのです。でも共感力が高くて心優しいHSPは、つい彼らに手を差し伸べようとしてしまいます。
ここでわたしが提唱したいのは、
HSPは「嫌なヤツ」達を「ゾンビ」だと思ってほしい
ということです。
歩く屍、ウォーキングデッドです。見た目は人間の形をしていますが理性はなく、ただ人間を襲うことしかしません。
あなたはゾンビに話しかけて、襲わないように説得できると思いますか？
HSPはそのような考えで「嫌なヤツ」と接してほしいと思います。かれらの要求を突っぱねるとき、「人間の形をした別物」を相手にしていると思えば、良心の呵責を覚えることはありません。
別にゾンビに限らず、話の通じない人型のものであればいいので、自分なりに設定してください。「巨人」だってなんだっていいわけです。
この考えを活用して、ぜひご自身の身を守ってほしいと心から願っています。