限界の壁を越えるために「心の声」を聞こう(HSP⑦)

「心の声」とは

前回はどんな困った状況でも、「稼げる一芸」があれば経済的な安定が得られて、自ら人生を終わらせる必要はなくなると申しました。また、そのために、「心の声」を聞きましょう、と最後に述べました。

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「心の声」とは何か、「稼げる一芸」との関係を確かめておく必要があります。

「稼げる一芸」は、一般人の趣味レベルを超越した、確実にお金を取れる特殊なプロレベルの能力や技能です。プロは期待されたものと同等か、それ以上の成果物を依頼者に届けなければなりません。

では、普通のサラリーマンが、「稼げる一芸」を身につけることができるのでしょうか。きちんと「心の声」を聞き、着実に時間を積み重ねていった人だけが「稼げる一芸」を手にできます。しかしそれは一握りの人たちなのです。

なぜ、普通に仕事をしているだけではだめなのか。

それは、その仕事をそこまで「がんばれない」からです。

上司からの命令や、やらなければ、という義務感で到達できるものには、必ず壁となる限界点が存在します。「稼げる一芸」のレベルはその壁のむこうにあるものです。

どうすれば、その壁を打ち破ってその先へ行けるのか。そのために必要なのが「心の声」なのです。

「心の声」とは、あなたが

「これが好き」

「全然苦にならない」

「やってて楽しい」

「時間を忘れる」

と思えることなのです。

このように感じながらでないと、壁をブレイクスルーして「稼げる一芸」のレベルまで到達できません。

言い古された格言ではありますが、「好きこそ物の上手なれ」しかないのです。

「プロ」への道

「稼げる一芸」を身につけるには、膨大な時間をその習得のために使わなければなりません。しかも、漫然とダラダラ時間だけ過ごしても、絶対に身につくものではないのです。

高い集中力を保って、かつ時間をかけて醸成していく必要があります。本当に好きでないと続くはずはありません。

どんな分野でもプロと言えるレベルまで到達するには、集中して1万時間をそのために費やす必要がある、という説もあります。

それを計算すると、毎日2時間続けて14年弱。業務として毎日8時間、365日休みなしでこなしても、3年半はかかります。

どれだけ膨大な時間か、想像できると思います。こんな量をこなすのは、どんな理由を付けられても、後から備わった「育ち」では不可能なのです。

つまり何を言いたいかというと、私たちの「好き」や「得意」はDNAに織り込まれた「生まれ」によるものといえます。

自分に合わない、やりたくないと思うものは、なかなか続けることができません。それは決してあなたの忍耐力が低いのせいではなく、生まれる前からある程度、適性が決められているからなのです

逆に、これを最大限活用できれば、好きなものを楽しく、無我夢中で時間を忘れてやりこんで、その結果、プロレベルのスキルを習得できるのです。

そんな馬鹿な、と感じる方も多いでしょう。でも、ご自身の過去に照らし合わせてみてください。何かが原因で、ゼロからそれを好きになったわけではなく、何かが「きっかけ」で、自分の好みや適性が「分かった」ことがほとんどであるはずです。

決断の時

あなたは「心の声」が聞こえたことがあるでしょうか。

明確にこれが「心の声」だと分かっていなくても、毎日仕事が楽しいと思えているなら、それは素直に「心の声」に従っている証拠です。

何か違和感を感じつつも、可もなく不可もなくやれているなら、まだいいです。

仕事の内容や職場の雰囲気が、「これは何か違う」と悩んでいるなら、それは明らかな拒否反応であり、まぎれもない「心の声」です。心と体が警告をしてくれています。すぐにでも別の道を模索すべきです。

「せっかく内定をもらった会社だから」、「お世話になった方に紹介してもらった職場だから」など、離れにくい理由はあるでしょう。しかし、「心の声」が警告を発している以上、あきらめるべきなのです。

その警告は、遅かれ早かれ、いずれはそこから去ることになる可能性が高いことを示しています。ならば見切りをつけて、できるだけ早くやり直したほうがよいと思います。

長い職業キャリアを全体で見た場合、最初の10年はひたすら「心の声」を探して、自分の適性を模索する期間といえます。

その時期にある程度自分に合った道を絞り込んで、次の10年で「稼げる一芸」に育てる。以後はさらに能力に磨きをかけながら、稼いでいく。

これはあくまで理想ですが、ほとんどの人はそんなことを気にしていません。ただ、雇用主に労働力を提供して、その対価として給料をもらう。毎日その繰り返しのみです。

今からでも、決して遅くはありません。

HSPの方々は、人並み以上の知性が備わっていることが多いといわれています。他に代わりがいるような仕事を辞めて、すぐにでも「心の声」に従って、「稼げる一芸」を身につけてください。

最終的にその決断が、あなたの自由を保証してくれることになるのです。

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