うるさい場所でも集中したい―遮音対策グッズ

世の中、うるさすぎません?

わたくし、ウェスタ氏は読書が大好きです。自己啓発や能力開発を目的に、幅広いジャンルの本を読んでいます。

少しでも読書時間を確保したいので、空き時間にカフェで読書したりします。しかし、まったく集中できず、店に入ったのを後悔することがよくあります。

それは話し声のうるさい人たちが近くの席に来た時です。あまりにうるさいときは、読書ができないのはもちろん、すぐに店から立ち去りたくなります。

カフェでおしゃべりする人を批判しているわけではありません。カフェでのおしゃべりは禁止されていませんし、基本的に自由です。ただそれが、常識なレベルを大きく超えることがよくあるので困るのです。

そんなうるさい場所でも、快適に読書や勉強できないだろうかと、今まで色々と対策をしてきました。今回、今まで私が行ってきた遮音対策について、詳しく書いてみたいと思います。

静寂のつくりかた

静かに読書がしたくて、いろんな場所をめぐって静寂を探してきました。それは以前に書きましたので、参考にしていただければ幸いです。

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今回は、静かな場所を探すのではなくて、「うるさい場所でどうやって集中するか」を追究していきます。

まず第一の方法として嫌な音を「遮断する」というものです。

効果が高いもののひとつが「イヤーマフ」といわれるものです。よくアメリカの映画で銃を撃つときに着けているやつです。しかし、効果が高いといっても、日本のカフェでこんなものを着けていると、大きすぎてかなり不審です。せめてヘッドホンくらいの大きさならよいのですが。

そんな大げさなものではなくて、一般的な遮音グッズとして代表的なものは「耳栓」でしょう。以前はバリエーションが少なく、ドラッグストアで買える「イヤーウィスパー」くらいしかありませんでした。最近はアメリカのメーカーのものがネットで購入できるようになり、選択の幅が広がりました。

私が使って一番良かったのが「モルデックス社」の耳栓です。いろんな種類の耳栓が発売されていて、様々な色や形状のものがあります。いずれも1ペアあたり100円以下で購入できますので、手軽に試せるのも魅力です。

使用方法は指で潰して、長細い状態にして耳の中に押し入れます。入れる際、耳を引っ張り上げながら押し込むと、すんなり入ります。

数あるモルデックス社の耳栓の中で、効果的かつ付け心地が良いものを紹介します。

ゴーイングリーン


MOLDEX 使い捨て耳栓 コード無し 6620 Goin’Green 10ペアパック

一番のお気に入り。遮音性はトップクラス。同じモルデックス社の「カモ」より柔らかく、長時間着けていても、耳が痛くなることはありません。お気に入りのポイントは「色」。鮮やかな緑色で、ベッドに転がっていても見つけやすいです。 

スパークプラグ


MOLDEX スパーク・プラグ (10ペア)

激しい名前ですが、前述したゴーイングリーンのほぼ色違いです。どちらを使うかお好みで。 

ピュラフィット


MOLDEX ピュラフィット (10ペア)

ゴーイングリーンなどよりもさらに柔らかく、耳の穴の小さい女性などにおすすめです。遮音性能に違いはありません。ただ柔らかいので、潰してもコシがなく、耳の奥まで入れにくい場合があります。 

耳栓の性能

ここに紹介した耳栓はすべて、NRR(ノイズリダクションレイティング)が最高の33デシベルという数値のものです。「33デシベル分の音を遮ります」というもので、耳栓の性能としては最高値です。

騒音の大きさは「デシベル」という単位で表され、工事現場など耐えられないほどの騒音は90~100デシベルといわれています。

これらの耳栓を使用する上で気をつけてほしいことは、「騒音はゼロにならない」ということです。耳栓はあくまで「軽減」が目的で、騒音を完全に遮断することはできません。ただ、電車の車内の騒音が図書館くらいまで静かになるので、効果としては絶大なのは確かです。

冒頭に書いたように、カフェなどでもっとも気になるのは他人の「話し声」です。音量が抑えられて聞こえにくくなったとはいえ、人の声は耳に届くと非常に気になります。

そんな時は、遮音性の高い「イヤホン」はいかがでしょうか。

進化を続けるポータブルオーディオ業界

ここ10年のイヤホン、ヘッドホンの進化は目覚ましいものがあります。わたくしウェスタ氏は幼少よりクラシックギターをたしなんできたことから、音にはうるさくなってしまいオーディオにハマった時期がありました。

CDという媒体をいかにキレイに鳴らすかというために、アンプやスピーカーに数十万円をつぎ込むのが当たり前のハイエンドオーディオの世界をうろうろしていたのが、ちょうど21世紀に変わるあたりのころ。

そこから時代はipodやiphoneで音楽を楽しむ時代になりました。オーディオ界の技術革新の本流は、据え置きのオーディオシステムから、イヤホンやヘッドホンのポータブルオーディオに完全にシフトしています。音楽はダウンロードしたデータで聞く時代となり、CDはもはやアイドルの握手券の梱包材と化しました。

オーディオ談義をすると長話になるのでやめますが、昨今は毎月のように素晴らしいイヤホンやヘッドホンが発売されています。年を経るごとに、その音質もどんどん改良されて良くなっています。

音質だけでなく、周りの音をおさえてくれる遮音性が高い製品も登場しています。その中でも注目していただきたいのが機種を2つ紹介します。

遮音性の高いイヤホン

ひとつめが、エティモティック・リサーチ社の「hf5」というイヤホンです。

ウェスタ氏の愛用品「hf5」

エティモティック・リサーチ社はもともと補聴器のメーカーとして有名でした。近年イヤホンを製造をはじめましたが、補聴器で培われた自然な音の再現こだわっています。

まず私が最も重視する遮音性ですが、耳栓に劣らない性能があります。キノコのような特徴的なイヤーピースを、耳のかなり奥まで押し込むことで遮音性を高めています。

そして音の質もすばらしいものがあります。このイヤホンは、他の一般的なイヤホンとは異なるドライバを搭載しています。ドライバとは音を発生させる部品のことで、一般的なイヤホンは「ダイナミック型」が採用されています。ダイナミック型は安価で、幅広い音域を出すことができます。

これに対し、このhf5は「BA(バランスド・アーマチュア)型」を採用しています。これはダイナミック型より繊細で音質がいいドライバです。しかし弱点は音域が狭く、高音から低音まで鳴らすために複数のドライバを搭載する必要があり、非常に高価になります。

このイヤホンもBA型なのでたくさんのドライバがあると思いきや、「シングルドライバ」つまりひとつのドライバのみで音を奏でています。しかしその音は、きらびやかな高音から沈み込む低音まで、見事に鳴らしてくれます。

ケーブルの取り換えができないので、断線すれば終わりという弱点はありますが、遮音性と音質のバランスが高次元でまとまった稀有なイヤホンです。

断線したら困るので、予備にもうひとつ買っておこうかと思うほどです。(と思ったら絶版になってました、残念。同社でお求めやすいのはこれでしょうか)


【国内正規品】Etymotic Research ダイナミック型 エントリーイヤホン MK5/グレー MK5-GRAY

もうひとつは、ミュージシャンがライブやレコーディングなどに使われるマイクのメーカーとして有名なシュア社のものです。近年はマイクだけでなく、イヤホンやヘッドホンにも力を入れています。


SHURE イヤホン SE215 Special Edition/カナル型 高遮音性/トランススルーセントブルー 【国内正規品】 SE215SPE-A

このイヤホンSE215は、シュアのイヤホンのラインナップの中でもリーズナブルな価格帯のものです。しかし、価格と遮音性、そして音質のバランスがとれた、コストパフォーマンスのよいイヤホンなのです。

私は以前、このイヤホンを使用していました。音楽好きの知人にあげてしまいましたが、使用感は非常によかったです。まず遮音性ですが、標準のイヤーチップがウレタンフォームで、まるで耳栓をしているようなフィット感でした。耳の中で密着することで、外部の音をかなり遮断します。

次に音質ですが、ダイナミック型でやや低音が強調された印象でした。高音も違和感なく鳴らしますし、低音は締りがあり聞いていて楽しくなります。

今回遮音性の高いイヤホンを紹介しましたが、最近は外部の音を遮断するのではなく、正反対の相異の音をぶつけて相殺する「ノイズキャンセリング」という機能が付いたイヤホン・ヘッドホンも発売されています。

まだ、実地で検証したことがありませんが、興味はあるので試したら別の機会に紹介したいと思います。

遮音のためにイヤホンで何を聞くべきか

これらのイヤホンは、ただ着けているだけでは意味がありません。装着したうえで音を鳴らしてはじめて遮音性が発揮されます。

かといって流している音楽に気を取られては、十分集中することができず意味がありません。どんな音を流すべきなのでしょうか。

外部の音を聞こえにくくするためには「ある程度の音量の音がずっと続いている音源」が有効です。「ある程度の音量」とは、大きい音と小さい音の差が少ない、という意味です。

例えばクラシック音楽は、大きい音と小さい音の差が大きい音楽です。ベートーベンの「運命」のように「ジャジャジャジャ~ン」と大きい部分もあれば、聞こえないくらい小さな部分もあります。小さい音の時に、周りの雑音が入り込んで聞こえてしまいます。

反対に、現代のポップスなどは音圧が高められており、音量の上下が少なくのが特徴です。しかし、歌が入っていたりして、集中を阻害する可能性が高いのでおすすめしません。

遮音のためのおすすめ音楽

ウェスタ氏は、遮音と集中のために「フュージョン」をお勧めします。フュージョンとはジャズをベースにした現代音楽です。

ヴォーカルが入ったものもありますが、基本的にインストゥルメンタル、つまり楽器のみの演奏です。ジャズほど古臭くなく、ロックなどより激しくないので、よくお店のBGMなどに選ばれています。

ウェスタ氏のおすすめは、こちらのアーチスト。ひとつめはパット・メセニーです。

パット・メセニーはジャズなど現代音楽教育の最高峰、バークリー音楽大学の講師を18歳で務めた天才ギタリストです。非常に複雑な理論を駆使しているにもかかわらず、自然に違和感なく聞き流せる曲を数多く作り出しています。

もうひとつはフォープレイです。文字通りフォー、4人で構成されたグループです。ピアニストのボブ・ジェームスを中心に結成されたフュージョングループです。とても都会的でおしゃれなコード進行で、飽きずに何度も聞きたくなります。

自然音で集中力を高める

音楽ではどうしても集中できない方は、「自然音」をお勧めします。例えば川のせせらぎの音など、断続的な音で周囲の雑音をマスクできます。

最近は自然音や生活機械音を鳴らしてくれるスマートフォンアプリも登場しています。ちなみにウェスタ氏は、外国のエアコンの「ゴーーー」という音をイヤホンで鳴らしながら、某ファストフード店で読書しています。

このサイトが、みなさんが雑音から解放されて、自己研鑽のために集中できる役に立てば、これ以上の喜びはありません。ウェスタ氏は大人の勉強を応援します。