図書館で子どもの才能は開花する

このシリーズでは主に公立の図書館を取り上げて説明していますが、公立の図書館はその地域の全市民を対象に運営されています。われわれ大人だけでなく、もちろん子ども向けの図書も充実しています。今回は図書館を、子育てに活用しようというお話です。

図書館好きな私ですが、2児の父親でもあります。休日にはよく、子どもたちと一緒に図書館へ行きます。そんな中で気づいた活用法を、年代別に述べたいと思います。

0歳~3歳向け

この時期の子どもは、もちろん文字は読めませんので、親による絵本の読み聞かせがメインとなります。絵のつながりと読み方の演出次第で、子どもは十分楽しんでくれます。

親としては楽しい絵本だけでなく、しつけに役に立つ絵本など、ためになる本を読んであげたいと、つい欲張ってしまいます。この時期の子どもへの読み聞かせで問題となるは、集中力が続かないことです。

私の経験上、長くても1冊あたり2~3分以内に留めるべきです。できるだけ短く、ストーリーも簡潔なものにしたほうがよいです。飽きて最後まで聞いてくれないと、どれだけ良いお話であっても意味がありません。

図書館には、驚くほど数多くの絵本が所蔵されています。どれを選んだらよいか分からなければ、窓口の職員に問い合わせてください。短い話や長い話、お子さんの年齢に応じた絵本をチョイスしてくれます。

乳幼児には

絵本を借りようと思っても、子どもがまだ小さすぎて心配になる方も多いはず。特に1歳半くらいまでの子供は、予測できない行動をします。本を破いたりしないかが気になると思います。そんなお子さん向けに、ページが分厚いボール紙でできていて破れない、ボードブックという絵本もあります。乳幼児でも安心して読ませることができますので、イチ押しです。

お話会・読み聞かせ会

図書館には本のプロである「司書」が在籍しています。その中には、子どもの本ばかりを専門に担当している方もおります。多くの図書館では、そんな司書による子どもを対象にした読み聞かせ会が定期的に開催されています。

実際によく参加させてもらってますが、長年にわたって子ども相手の読み聞かせをしている方の経験値は、子育てしている親にとって参考になるものが多くあります。

読み聞かせ会では、毎回5冊程度の絵本や紙芝居を読んでくれます。担当の方は、その中に必ず絶対にスベらない「鉄板本」を用意しています。読み聞かせをしていて、あまり盛り上がっていなければその「鉄板本」を登場させて、子どもたちを楽しませます。

司書に聞けば、そんな「鉄板本」も教えてくれるので、ぜひ読み聞かせ会には子どもと一緒に参加してみてください。お話会や読み聞かせ会は、ファミリーが参加しやすい土日にやっていたりします。

休みに連れていく場所に困ったら、図書館も選択肢に加えてみてはいかがでしょうか。

また、知育に関心がある方は、こんなサービスもあります。

タップして見てみる

4歳~7歳

この時期になると文字を覚え始めて、絵本などは読めるようになってきます。読めるといっても、まだ文字から直接に意味を理解できる段階ではありません。

子どもが言葉を覚えるのは、親や周囲の人の話すのを聞く「耳」からがメインです。文字を覚えても、それを声に出して読んで音声に変え、それを自分の耳で聞くというプロセスでないと、子どもは理解できません。

ですので、この時期の子どもには、音読をたくさんさせるべきです。周囲の大人ができることとして、一つは音読の見本を見せること。そして次に、子どもが後を追いかけるようについてきて読めるように、ゆっくりと先導するように読んであげるのです。

それを繰り返すことで、文字と音声がリンクして音読がスムーズになり、やがて黙読できるようになっていきます。できれば、同じ本をスムーズに音読できるまで繰り返した方が、文字を確実に覚えるようになります。

8歳~12歳

この時期に大切なのは、本を読む習慣づけです。この時期に活字に対する嫌悪感が生じてしまうと、後々の知的活動(受験勉強を含む)に支障をきたします。興味のある分野でいいので、ある程度の量を読むよう促しましょう。

読書が習慣となっている子どもには、興味のある分野だけでなく、関心の幅を広げてあげる手助けをしてあげてください。例えば、物語ばかり読んでいる子に、自然(動物・植物)や歴史などを勧めるふうに。

子どもの興味の種は、どこに落ちているか分かりません。本の選択肢を増やす意味でも、ぜひ大人が分野の入口まで連れていってあげるのをおすすめします。

幸い図書館は、本が分類の順番に並んでいます。「すべての棚から必ず1冊は読む」など目標を決めれば、まんべんなく広い分野の本に接することができます。

図書館の蔵書の約半分は児童書です。そんな公的な資産を自由に使える権利があるのですから、ぜひお子さんのために活用してあげてください。

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